Mochajava Cafe 大久保本店 Report 8 「工事進行中」

2008 年 12 月 2 日 admin コメントはありません

第一弾壱岐島滞在は三日間でした。昼間は汗を掻き、陽が暮れると眠くなる。自然というか、抗わないサイクルには矛盾がありません。煌々とした街灯りは楽しくもありますが、半ば強制的で体にはストレスとなります。壱岐島の夜は暗く静かでした。屋久島の安房や奄美大島の瀬戸内町、沖縄本島を除く南西諸島の島々も同様で、離島には都心部にない極上の時間帯があります。喧噪が日常だと、静かな夜に慣れるまで時間は必要かと思いますが、馴染めばそれが本来の姿だと気付きます。昼夜は人よりも先にあって、その繰り返しの最中に人は生まれて来るので、至極当然な環境なのだと思います。多くの事を整理し、消化する時間帯ですね。体も解れます。それが総てだとは思いませんが、少なくとも休息は必要です。壱岐島の三日間は良い気分転換となりました。生活の場は福岡にあるので「帰る」という意識は働きますが、安堵よりも緊張を感じます。壱岐島に限らず、何時の頃からか離島や田舎を離れる際には同じような感覚を持つようになりました。地の人からすれば普通の風景であっても、普段はビルばかり見ている私からすればやはり特別な風景です。その後福岡へ戻り、季節は春から初夏へと移りました。様変わりする「旧大久保本店、藤嶋家住宅」の途中経過は写真で知りました。新しい土間、壁、階段の位置は変わり工事は着々と進んでいました。

Mochajava Cafe 大久保本店

土間が綺麗になってます。

Mochajava Cafe 大久保本店

土壁は白くなり床はフローリング、土間との隙間にはタイルが貼られています。

Mochajava Cafe 大久保本店

一間の急な階段は無くなり、入り口側に真新しい階段が設置されています。壱岐島滞在中、階段の位置や形は随分と熟考していましたが、完成してます。

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階段の裏側、写真奥には以前カマドがありました。現在は壁が出来てます。更に奥は厨房。

Mochajava Cafe 大久保本店

二階もフローリングになり、壁も綺麗になっています。柱の感じはそのまま、良い色です。

Mochajava Cafe 大久保本店

二階奥の窓からは勝本漁港が見えます。写真では分かりにくいのですが、窓下の床は一部強化ガラスになっています。こちらも壱岐島滞在中、二階の床を剥いだときに話してました。陽の光も届くし、店も広く見えます。

Mochajava Cafe 大久保本店

入り口の引き戸も改修されていました。以前海産物問屋だった名残か、間口の広い玄関です。

工事は順調に進んでいるようでした。一口に民家を店舗へ、と言っても各種役所の許可や、長崎県のまちづくり景観資産にも登録されているので改修出来ない箇所もあり、時間を掛けてパズルのピースを埋めているようでした。オーナーや関係者は物作りに拘りを持つ方々なので、一つ一つ丁寧に店作りを進めている感じがします。店舗が完成に向かう、というのはどうあれ楽しいことなのだと思いますが、「Mochajava Cafe 大久保本店」の場合はベースが風情ある木造二階建ての住宅だっただけに一入なのだと思います。時を経て商いが再開するというのは、第三者的見ていても興味深いです。

Mochajava Cafe 大久保本店 Report 7 「室内」

2008 年 11 月 23 日 admin コメントはありません

屋根は一部改修後のようですが、梁はほぼ素の状態です。不規則に見える木目も実は利に適っているので、全体的には整然として見えます。部屋の所々には年代物のパーツが備え付けられていて、黒電話は勿論のこと、電気系は電気屋でさえ判断が付かない物もありました。碍子も独特の雰囲気を醸し出していました。店舗として再生しているので、この時点でどれ程当時の状態を維持できるかは判断しかねましたが、役所の基準は必ず必要になってきます。室内に関しては大幅に変わると予想出来たので、ある意味改装途中が内装として見るには一番面白いのかったのかも知れません。

Mochajava Cafe 大久保本店

整然とした木造住宅の骨組み。

Mochajava Cafe 大久保本店

日本乾電池。

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碍子。

Mochajava Cafe 大久保本店

年代物の家具と書籍。

2008年春の段階では、改修作業を続けながら店のレイアウトに付いて話し合っていました。完成はまだ数ヶ月先になります。

Mochajava Cafe 大久保本店 Report 6 「二階」

2008 年 11 月 22 日 admin コメントはありません

1間の階段は、利便性よりも空間の有効活用を目指した旧日本家屋の象徴なのでしょう。お城の造りにも共通してます。例えば世界遺産「姫路城」でも同様でした。階段から二階を覗くと、一階の天上は低いのですが、吹き抜けの先に見える屋根裏までは高さがあるので狭い感じはしません。どちらかというとその落差が新鮮です。多くの梁や柱が家を支えていました。土地の気候によって構造は様々だと思いますが、堅い木や柔らかい木を要所に使い分け、強度、温度、湿気などを調節しているのだと思います。緻密な計算の結果として、面白い居住スペースが生まれるのでしょう。以前広島の厳島、千畳敷へ渡った時の事ですが、茹だるような熱の中、屋内は涼しくヒンヤリとしていました。風通しが良く、家屋自体が呼吸をしているので人に優しいのだと思います。木の家の凄味です。

Mochajava Cafe 大久保本店

急な階段を見上げると天井裏が見えました。

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24年に渡り使われいなかったので、二階の床はかなり痛んでいました。土間の天井を剥がした後。

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二階にも広い空間がありました。側面の窓はかなり良い感じで、日本の風情があります。写真はかなり整理された後ですが、ここにも昭和初期の品々がかなりの数眠っていました。現在は、バス、トイレ付きの贅沢なスタッフルームとなっています。

実の所、作業は余り捗りませんでした。見たこともない銀行の通帳や、昭和初期の字体で書かれた書籍、中には手書きの物もあり、何か見つける度に手が止まります。8ミリカメラやレコード盤もありました。中には保存状態の悪い物もあり整理はそれなりに大変でしたが、まるで宝捜しのようでした。

Mochajava Cafe 大久保本店 Report 5 「屋内」

2008 年 11 月 21 日 admin コメントはありません

第二陣だったこともあり、屋内の土壁や床は一部取り壊されていましたが、「旧大久保本店、藤嶋家住宅」の佇まいは残っていました。広い土間には懐かしいカマドもあります。当初このカマドを修復する予定だったようですが、2008年現在では扱える職人がなかなか居ないらしく、最終的に再生は無理だったと聞きました。熱に耐えられるカマド作りというのは難しいのでしょう。しかし屋内は仕切りが無いこともあり広いです。一階だけで四十坪くらいはあるでしょうか。

Mochajava Cafe 大久保本店

約100年近くか、それ以上か、月日を重ねた木の色には風合いがあります。「親方」曰く、塗装では出ない色だそうです。また、解体作業の最中、電動工具のない時代に鑿を使って正確に合わせてある柱を見ながら感心してました。写真奥は二階へ続く急な階段。

Mochajava Cafe 大久保本店

素人の私からすれば、現代の大工もやはり職人です。採寸したかと思えば、丸鋸を使って手際よく家を創り上げていきます。しかし床に新しい木が入っていますが、色の違いは明かです。

Mochajava Cafe 大久保本店

カマド。かなり痛んでいました。残念ながら再生することなく取り壊されましたが、現在は新しいカマドとなっています。

今回は改装作業が中心だったので詳細な写真を余り撮影していないのですが、古い木造建築の趣を少しでもお届け出来ればと思います。改装作業中には、昭和初期の品々が数多く出て来てかなり楽しめました。この段階で既に良い店が出来るだろうと想像出来ます。

Mochajava Cafe 大久保本店 Report 4 「旧大久保本店」

2008 年 11 月 11 日 admin コメントはありません

昔ながらの木造二階建て家屋、初めての印象は、「懐かしい」でした。潮気に負けない木の家は独特の色を携えていて落ち着きがあります。玄関は引き違いの引き戸になっていて、商いの面影が残っています。通りには生活の気配があるので、敷居を境に時代を遡る感じがします。旧大久保本店が商いを閉じたのが約50年前なので、2008年現在から数えると西暦1958年頃、昭和33年になります。調べてみると、ノーベル賞作家大江健三郎が「飼育」で芥川賞を受賞した年です。大江健三郎23歳の時でした。戦後復興の象徴、東京タワーが完成した年でもあります。言わば映画「三丁目の夕陽」の舞台がそのまま保管されていたことになります。実際は大正9年、西暦1920年以前に建築されているので、昭和生まれの私には届かない歴史を持っていることになります。

大久保本店

大久保本店の軒先。昔ながらの生活圏にあるので温かみがあります。都心部にも旧家を模した店舗はありますが、微妙に違和感を感じてしまうのは周囲との温度差があるからなのでしょう。好みはあると思いますが、大久保本店の良さは、この場にあるという理由も大きいように思います。

大久保本店

個人的に、この角度はかなり好みです。勝本漁港から路地に入り、始めに見える大久保本店の一角です。現在二階はスタッフルームになっていますが、かなり贅沢な空間になっています。

大久保本店

木の風合いは年月に比例するのでしょう。長崎県のまちづくり景観資産に登録されているので、外観の変更は出来ないそうですが、その理由が分かります。

素人ながらにも、日本の木造建築技術は匠なのだと思います。当初築約100年程、という話を聞いていたので、朽ちたイメージを持っていたのですが、実際は深みのある木造の家屋でした。以前、例えば京都智恩寺の宝塔を見たとき、築500年という話を聞いて確かに凄いとは思ったのですが、国の重要文化財なので管理の質も違うのだろうと感じていました。ところが、大久保本店を見ていると、日本の大工の木造に対する知恵と技術が大きな理由なのだと気付きます。

Mochajava Cafe 大久保本店 Report 3 「勝本漁港」

2008 年 11 月 10 日 admin コメントはありません

Mochajava Cafe 大久保本店から歩いて一分の場所には勝本漁港があります。港にはイカ釣り漁船が並び、剣先イカ「壱岐剣」は全国的にも有名ブランドになっているそうです。そしてマグロ。マグロと言えば大間を思い浮かべますが、壱岐の一本釣りかたて縄漁本マグロは大間を凌ぐほど評価が高いそうです。イカやマグロだけでなく、壱岐の魚は美味いです。以前大分の津久見で魚を食べたときも美味いと感じましたが、大分と言えば豊後水道です。玄界灘に囲まれた壱岐は対馬間にある七里が曽根も有名のようで、同じく豊かな海に恵まれています。

勝本漁港

漁港には生活の風情があります。個人的にお気に入りの漁港は、勝本漁港も含め唐津市呼子漁港と与那国島の久部良漁港。久部良漁港と言えばカジキです。日本最西端西崎の麓にある小さな漁港ですが、とても美しい漁港です。

勝本漁港

写真手前の小さな船は神様を乗せる船だそうです。夜の勝本漁港もなかなかのものです。

国内であればどの島にも「高齢化」の問題はありますが、勝本漁港で出合う地元の人々は元気です。壱岐だけに限ったことではありませんが、挨拶を交わすだけでコミュニケーションが取れる地域には、人の数だけで計ることの出来ない活気があります。「旧大久保本店、藤島家」が朽ち果てることなく再生した理由なのでしょう。

Mochajava Cafe 大久保本店 Report 2 「博多港 – 郷ノ浦港」

2008 年 11 月 9 日 admin コメントはありません

福岡の目と鼻の先にありながら、壱岐島上陸は2008年4月が初めてでした。季節は春、木の芽時です。体調を崩しやすい季節と言われますが、澄んだ海に囲まれると元気を取り戻すことが出来ます。博多港を出港したフェリーは郷ノ浦港に接岸、勝本は真逆に位置するので、車で島を縦断します。

博多港

博多埠頭は生活圏内にあるので何度となく足を運んでいますが、博多港からフェリーに乗船したのは初めてでした。能古の島から見る百道浜と同様、船上に広がる博多ポートタワーやマリンメッセの風景は真新しくて新鮮です。繁華街に飽きた週末は少しだけ視点を変えて、近くの島を目指すのも面白い遊びの一つでしょう。

郷ノ浦港

洋上にある県境を越え郷ノ浦港へ到着。長崎県壱岐島に上陸です。僅か二時間の船旅で、都心部では触れることの出来ない気配を楽しむことが出来ます。

郷ノ浦港ターミナル

ターミナルへ続く連結部分。壱岐島に限らず、港ターミナルには旅の風情があります。個人的にお薦めは沖縄本島の安謝新港、宮古諸島や八重山諸島を目指す旅行者で賑わっています。

島の中央を走る国道382号線を北上、郷ノ浦を過ぎると勝本までは牧歌的な風景が続きます。交通量も少ないので、晴れた日にバイクで走ると気持ち良いでしょう。時間が許すなら横道に逸れて海側を目指すのも一考です。

Mochajava Cafe 大久保本店 Report 1 「壱岐島」

2008 年 11 月 8 日 admin コメントはありません

まずは壱岐島 (Click Google Map!!) の御紹介。九州と対馬の中間、玄界灘に浮かぶ美しい島です。博多港から主要港、郷ノ浦港までは約67km、長崎県に属しますが、福岡から気軽に渡ることの出来る島の一つです。唐津市呼子港からもフェリーが出航しているので、東松浦半島を走り抜け、壱岐島へ渡るのも絶好のコースと言えるでしょう。唐津市七ツ釜には柱状節理が連なる壮大な玄武岩と、その先に広がる玄界灘という絶景ポイントがあります。博多港からであれば、料金は高くなりますが約一時間で到着する高速船か、約二時間を掛けて壱岐島を目指すフェリーかを選択することが出来ます。個人的な感想になりますが、旅気分を味わうならフェリーがお薦めです。

壱岐島

玄界灘に囲まれた壱岐島は美味い魚の宝庫、高速船であれば博多港から僅か一時間余りで到着します。

猿岩

長崎県壱岐市郷ノ浦町新田触、黒崎半島の突端にある高さ約49mの猿岩。

壱岐島は南北17km、東西14kmの島なので、福岡かから日帰りで足を伸ばすにしても丁度良い大きさの島だと言えます。九州の海と言えば南西諸島を思い浮かべますが、壱岐島の海も透明度が高く非常に綺麗です。質の違う美しい海に囲まれています。Mochajava Cafe「大久保本店」がある勝本は生粋の漁港で、港にはイカ釣り漁船などが並んでいます。滞在した宿では美味い魚をご馳走になりました。ダシの効いた味噌汁は絶品です。また、島の西側には表情の違う島の風景が連なっていて、温泉もあるので泊まり掛けで壱岐島を楽しむのも良いでしょう。海水が混じる温泉は肌に良いとのこと、私も湯に浸かりましたが、かなり癒されました。

壱岐島 Mochajava Cafe「大久保本店」プロローグ

2008 年 11 月 6 日 admin コメントはありません

約半世紀前、海産物問屋「大久保本店」は商いの幕を閉じました。その後「藤嶋家住宅」となり、約24年に渡り民家として軒先を照らします。昭和50年代、やがてその時計の針も止まり、時代は「平成」へと移り変わりました。現存する資料で確認出来る限り建築は大正九年以前、現在は長崎県のまちづくり景観資産にも登録されている木造二階建の建物です。私が初めて「旧大久保本店、藤島家」を訪れたのは2008年4月の事でした。広い土間には朽ち果てたカマド、二階へ続く急な階段、背の低い天上、扉の先には懐かしい日本家屋が息を潜めていました。来訪の理由は改修の手伝い、大工仕事は出来ないので、廃材や資材の運搬と清掃が主な仕事です。滞在は三日間でしたが、まるで古い映画の中で過ごしている様な、不思議な時間を過ごす事となりました。

Mochajava Cafe 大久保本店

四ヶ月後の2008年8月、盛夏の空の下、壱岐市勝本町勝本浦「大久保本店」はMochajava Cafe姉妹店として再生しました。約26年の時を経て、新たな時計の針が動き始めます。博多港から高速船で約1時間、玄界灘に浮かぶ壱岐島に、年月を重ねなければ決して出ることのない色を持つCafeがオープンです。不定期になりますが、数回に渡り「大久保本店」再生レポートをお届けします。

〒811-5501 長崎県壱岐市勝本町勝本浦359番地
Phone Number : 0920-42-0500

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